6年生 図工科 「24Worlds ~24人の世界~」
6年生は1学期から取り組んできた作品ができあがり、保護者の方々にも観ていただけるように展示しました。
単元名は「NIERIKA(ニエリカ)心の旅 ~自分の心の風景を探す~」です。
「NIERIKA」とは、メキシコの先住民が自然からインスピレーションを得て作った毛糸絵です。
6年生はこの「NIERIKA」を通して自分の心と向き合い・探し、作品を仕上げました。
まず音楽2曲を聴きました。
①映画『ミッション』サウンドトラックよりエンニオ・モリコーネ
②『Fragile(フラジール)』小瀬村昌)
そして心に浮かんだ風景を水彩絵具を使って色と形で表現しました。
その後、この感覚的に描いた心の風景画を、思考的に単純化し、シンプルなデザインにそぎ落とし、絵を描き、毛糸を絵に貼り付けていきました。最後に作品のタイトルもそれぞれが付けました。
全員が完成した後、1枚の大きな絵画のようにするために、だれの作品をどの順番で並べたらよいかをみんなで考え、作品をつなぎ合わせました。その総タイトルが「24Worlds ~24人の世界~」です。
完成した後に「まとめワークシート」でもう一度作品と向き合い・振り返り、完成までの心情を記しました。
その一部をご紹介します。
◆音楽を聴いて描いてみた時に感じたこと
*『ミッション』を聴き、曲の最後のあたりでみんなが神様を賛美しているようだった。絵の上の方にたくさんの白い光を描き、賛美の心がその白い光に集まっているように描いた。曲の最初から中盤にかけては聖堂の厳かな雰囲気を感じた。
*『Fragile』を聴き、最初は切ないけれども、きれいな研ぎ澄まされた高い音から、暗闇に光が差し込んでいるように感じた。だから、明るくも、暗さが少し感じられる緑の上に、白色でドロッピングをしました。少しばらけている音から、揺れる心を連想し、ゆらゆらしているのを表すため、曲線で明るめな色を使用した。
◆描きあがったものを見た時に感じたこと
*やりきった感じがして、自分が思ったとおりに絵が描けた
*音楽を聴いて感じたことがそのまま描けてよかった。
*聞いた音楽のイメージとは違ってしまったが、その違いに良さがあると感じた。
◆自分の「NIERIKA」を見て感じたこと
*曲を聴いて、暗闇の中に一筋の光が差し込んでいるイメージを持ち、その光を表現したいと思っていたが、無意識のうちに作品の上の方に白や黄色を使っていて、希望を見い出せるようになる「一筋の光」が表わせていたと気づいた。
◆制作にあたり工夫したこと
*『Fragile』は希望の曲だと感じ、希望への道筋としてピンク、希望の光として黄色を見立て、ピンクの線を黄色につなげた。
◆制作を終えて感じたこと、考えたこと
*多くの人が感じた曲のイメージと私とは違っていたけれど、私にはない視点で、物事は色々な面からみるとおもしろいことがわかった。
*毛糸を貼り付けていく時、思った以上に頭を働かせなくてはいけなくて楽しかった。
自分の考えを作品で表すのは難しいこと、同じ曲を聴いてもイメージするものは個人で異なること、それぞれの思いと作品を見比べ、共有でき、興味深かったことなど、感性を磨く単元となりました。