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「クリスマスの喜び」

校長 平田 理

 

 

 

 「ぼくは、クリスマスが近づくとワクワクした気もちになります。なぜなら、クリスマスのおいしいごはんやサンタからのプレゼントをそうぞうすると、とても楽しみになるからです。弟とサンタさんに手紙を書いたりクッキーを作ったり頭の中はサンタさんでいっぱいになります。でも今年はオペレッタをすることができたので、イエスさまのことをいつもよりたくさん考えています。ぼくははかせのやくでイエスさまにプレゼントをおささげしながら一つふしぎに思ったことがありました。クリスマスはイエスさまのおたん生をおいわいする日なのに、なぜぼくがサンタさんにプレゼントをもらうのかということです。本当ならイエスさまのおたん生をおいわいする日だからぼくがぎゃくにイエスさまにプレゼントをおささげする日だと思います。ぼくはイエスさまがよろこびそうなプレゼントをかんがえてみました。それはお祈りや、人に親切にすることだと思いました。世かい中には、お金がなくてクリスマスにごはんが食べられない人がいます。お金にこまっているひとにぼくのおこづかいから少しお金を分けてあげようと思います。ぼくがささげたけんきんでこまっている人がごはんを買えたらいいなとおもいます。ぼくの考えたプレゼントをイエスさまがよろこんでくれたらうれしいです。」(原文まま)

 

 この児童が記したように、クリスマスは多くの人にとって喜びと心温まる季節であって欲しいものです。しかし、児童がこの楽しそうで、温かそうなクリスマスの季節を、飢えと悲しみの中で過ごす人がいるのだということに気づき、その人にも自分が受けた恵みを分けることに喜びを見出し、それをイエス様にも喜んでもらえるか、と思いを馳せる心の豊かさに静かな感動を覚えます。大人でさえ、自分のことばかりに想いを寄せる時代の中にあって、この幼い心は、他者への思いやりと分け与えることにとどまらず、イエス・キリストに心を献げる喜びにまで、心の場所を広げているのです。

 クリスマスの季節に心からの喜びに預かるには、受けることではなく、与えられたものの中から誰かの必要を満たす、キリストにある善意が必要です。与えられた命は全て、自分以外の人から愛され、守られ、関心を寄せられ、存在していることを忘れてはなりません。クリスマスは、私たちひとり一人が愛されていることを感謝し、愛することの喜びを分かち合う時だからです。

『May your days be merry and bright, and may all your Christmases be white. あなたに楽しく、明るい日々が訪れますように、そしてクリスマスが雪になりますように。』 ビング・クロスビー(Bing Crosby, 1903-1977)が映画で歌った、世界的に有名な『ホワイト・クリスマス』(I.バーリン作詞作曲 映画『スイング・ホテル』)の一節です。彼は「クリスマスは自分に与えられた恵みを分かち合う機会としない限り、アラスカにあるすべての雪をもってしても『ホワイト・クリスマス』にはならない、と喜びの秘訣を記しています。

 

 「あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」(使徒言行録20章35節)

 

 

 

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