校長通信を更新しました
月1回程度のペースで、校長 平田 理 が「校長通信」を掲載しています。
今回のタイトルは「プレイフル・ラーニング 学びの楽しみ」です。
月1回程度のペースで、校長 平田 理 が「校長通信」を掲載しています。
今回のタイトルは「プレイフル・ラーニング 学びの楽しみ」です。
校長 平田 理
幼稚園や保育園の中では経験的に実施されていた学び方「プレイフル・ラーニング」(Playful Learning)が、初等ばかりか教育界全体の中でも再注目されています。自分が周りの世界とどのように関われば楽しくなるか、どのようにすれば周りの人と一緒に、「遊びながら」楽しく学べるかという考え方、振る舞い方(学ぶ姿勢)を指しています。ワクワク・ドキドキ感のあること、好きなことをやっている時の楽しさや嬉しさの中に「学び」が溢れているという考え方でもあります。遊びと勉強という一見、対局にあるような活動を融合させることで、既存の学びの場が新しく躍動的に変化するのです。
一般的な授業は教室内で行われる知識伝達型ですが、現在、多くの学校でも取り入れられている協働学習や探求活動などは、他者との対話や討議から学習者自身に気づかせる学びです。時には答えに辿り着けない場合や一つにまとまらない場合もあるでしょう。しかし、自分たちで問いを立てたり、試行錯誤したりする中で受ける失敗や達成感などを分かち合うことで記憶や理解が深まるはずです。そこにはある種の「遊び感覚」がうまれ、学ぶことが苦痛や退屈から離れた活動として学び手に広がっていくのかも知れません。
心理学者 キャロル・ドウェック博士(Carol Susan Dweck スタンフォード大学)が私たちの行動に大きく影響する2つの心の持ち方(Mindset)を説明しています。1つはFixed Mindset(自分に限界をおく姿勢)で「できるかな?」と否定的な発想を伴うもの、もう1つはGrowth Mindset(自分の力を信じようとする姿勢)で「どうしたらできるかな?」と自分の能力を引き出そうとする能動的な発想です。課題や困難に直面した際にどちらを選択するかによって挑戦的になれるかが決まるという考え方です。2つのMindsetは何れも自分に焦点が向いていますが、これに加えて上田信行教授(同志社女子大)は、「驚かせたい、喜んでほしい」といった他者への想いが、学びの推進力「ワクワク・ドキドキ感」を生み出すので、Playful Mindset(どうしたらあなたをよろこばせられる?)を提唱しています。
「いかに幸いなことか、知恵に到達した人、英知を獲得した人は。知恵によって得るものは銀によって得るものにまさり、彼女によって収穫するものは金にまさる。」 箴言3章13⁻14節
子どもたちの学びの場である学校を、誰かに勉強させられる場所から、自分たちで問いを立て、答えや理解を探し出し、みんなで勉強を楽しんだり、味わったりする場所になればと願っています。
学校紹介「校長挨拶」はこちらをご覧ください
系列機関であり、途上国や災害被害地において、開発支援や緊急支援活動を行う認定NPO法人 ADRA Japan(アドラ ジャパンADRA:Adventist Development and Relief Agency)の渡辺千里さんをお招きして、5~6年生に「平和について考える」総合の授業を行っていただきました。
渡辺さんご自身も日本の災害地域支援のみならず、世界の紛争地域などの緊急支援活動に携わっておられます。
6年生は1学期に沖縄平和学習で3泊4日の沖縄修学旅行に行き、事前学習、沖縄での学び、振り返り学習をとおして一人ひとりが「平和について」考えました。
今回は視点を世界に広げ渡辺さんをとおして考えました。
最初に、ワークシートを用いて「あなたにとって平和はなんですか?」と問いかけられました。
まず個人で、そしてグループになって意見を交換し合い、発表しました。
子どもたちが考えたことは
「みんなが笑顔であること」
「みんなが助け合っていること」
「互いに尊敬しあえること」
「地球がひとつの国になって差別がないこと」
「愛があること」
「ご飯が食べられ、幸せを感じられ、戦争がないこと」
「飢えがないこと」
「自由があり、平等で、安心して生活できること」などを挙げてくれました。
現在ADRAが行っている緊急支援としてフィリンピンで起こった地震、日本のみならず世界各地の台風被害、能登半島地震が紹介されました。
また、
・エチオピア国内での衝突、干ばつや洪水により国内難民が発生していること
・ミャンマーの軍事クーデターによる国内難民や国外避難民が多数いること
・シリア内戦による長期にわたる難民生活
も紹介され、「人が難民を生み、人が難民を救う。」のですと教えてくださいました。ADRAはいのちの危機に瀕する人々の物的支援だけでなく、心のケアにも働いていることも知りました。
また避難しないといけない事態が発生した時、「何をもって逃げますか?10個挙げてください。」と質問があり、真剣に考え、互いの意見を共有しました。国境を越えなければいけない時は「パスポート」が必要です。子どもにとって心の安らぎとして「ぬいぐるみ」を持っていた方がいい場合もあります。大人なら学歴を証明するために卒業証書が役に立つこともあります。
絵本『戦争のつくりかた』(文:りぼん・ぷろじぇくと 絵:井上ヤスミチ)を読んでくださいました。この本は戦争がどのように始められていくのかが書かれ、最後に「わたしたちは、未来をつくりだすことができます。戦争しない方法を、えらびとることも。」と締めくくられています。
また、2025年8月6日の広島平和式典で読み上げられた子ども代表による「平和への誓い」も読んでくださいました。
最後に渡辺さんは「みんなにとって一番大切なのは何ですか?考えてみてください。」と、一人ひとりに投げかけられました。
この度の授業は、マタイによる福音書5章9節
「平和をつくり出す人たちは、さいわいである。
彼らは神の子と呼ばれるであろう。」
から、平和について考えるきっかけになってほしいと授業展開してくださいました。
日本は80年間戦争はなく、物で満たされ、自由に発言でき、暖かい家があり、家族がいて、学校に行き、希望をもって生活ができています。明日の心配もなく、いのちの危険を感じることなく過ごしています。世界で起こっている現実に、現地に行って活動されている渡辺さんをとおして生の声をお聞きし、子どもたちは少なからず衝撃を受けました。
「平和はやってくるものではなく、わたしたちがつくりだすものです。」と語ってくださった渡辺さんの言葉が、子どもたちの心に刻まれた授業でした。
系列機関の「東京衛生アドベンチスト病院」・歯科医の先生と歯科衛生士の先生をお招きして、歯磨き講習会を実施しました。
歯が健康であれば、体も健康であることを踏まえて、骨よりも硬い歯を一生使い続けるためにはどうすればよいのか、歯垢や歯肉炎、虫歯ができる原因など全校児童に分かりやすくお話しくださいました。
「昼食後は歯磨きをしよう」と担任や仲間同士で声かけをしていますが、忘れてすぐに遊びに行ってしまったり、十分な歯磨きができなかったりしてきた子どもたちにとっては、「あ!」「ちゃんとやらなきゃ!」と気づかされた時間となりました。
日々の生活の中で少しずつ疎かになりがちな歯磨きなので、毎年歯磨きや食生活の大切さを教えていただくことによって、虫歯のない丈夫で健康な歯を維持していく習慣を身に着けていきます。
口腔ケアによる健康的な体は、「神さまと隣人に仕えるために健康を保ちます」という教育理念にも結び付いているので、大切なプログラムになっています。
全体集会後は、2年生と4年生の各教室で前歯の染め出しを行い、磨き残しを確認し、手鏡をもってきれいになるまでていねいに磨きました。
歯と歯の間、歯の裏側、奥歯に向かって磨き残しが生じやすくなることを教えていただき、歯科医の先生と歯科衛生士の先生から一人ひとり丁寧に歯磨きチェックをしてもらいました。
系列機関に病院をもち、また病院から近い距離にある私たちの学校です。歯科講習会はもとより、学校内で行う歯科検診・内科検診・心電図、学校内で生じたケガや病気にも対応してもらえます。同じ理念をもって子どもたちの成長を助けてくれています。
5~6年生は讀賣新聞社と国会議事堂・参議院に社会科見学に行きました。
バスでの移動でしたが、渋滞に合わず順調だったため、讀賣新聞社に向かう前に霞が関周辺にある官公庁や皇居・桜田門と二重橋(めがね橋)、東京駅丸の内口を車窓から案内してもらいました。
普段テレビのニュースで見る官公庁の重厚感ある建物を間近に見ることができ、こんなにもたくさんの国の主要重要機関が集中していることに驚きました。皇居には多くの外国人観光客が訪れて、にぎわっていました。
讀賣新聞社では、クイズを出していただきながら、楽しく、新聞の見かた、読み方を教えていただきました。またミニ記者になり、与えられた情報を書き留め、観察力と情報処理を問うクイズに答えました。さらに新聞社の中核ともいえる編集局を見学させていただきました。
・新聞記事はあいまいな内容ではなく、確かめた正確なことしか掲載されないこと。また分からないことがなくなるまで記者は取材する。
・新聞の総文字数は20万文字以上となり、全部読み切るのに10時間を要するので、見出しや写真を用いて、読みやすく、必要な記事を読めるよう紙面を工夫していること。
・1面はその日一番の記事が掲載され、トップ記事を「あたま」、二番目の重要記事を「かた」、真ん中にある記事を「へそ」と言い、名称があることを知りました。みんな「へ~!そんな名前がついていたなんて知らなかった!」と驚いていました。
編集局は3フロア吹き抜けで、各部門の記者同士が情報をすばやくキャッチし合うことができるように、見通しよく、仕切りなしの1フロアになっていました。また、締め切り時間に間に合うように、1フロアにたくさんの壁時計が設置され、すぐに時間を確認できるようになっていました。フロア中央には1面記事を決定する編集会議の大きな机が設置され、「あたま」「かた」「へそ」の記事を全国支社とオンラインで結び決定していることを知りました。
Web Newsが台頭し、「家では新聞をとってないよ」という子どももいる中、じっくりと新聞を読む時間が心地よく、子どもたちは熱心に記事を読んでいました。
讀賣新聞社の取り組みとして、読み終わった新聞を再活用するために、リサイクル活用に取り組み、資源を100%国内で循環させ、新聞の古紙配合率は約70%を実現しているとのことでした。また紙を利用する事業者の責任として、紙の原料となる木を育てていることも知りました。
国会議事堂・参議院では、まず「法律ができるまで」の流れを代表者によって模擬体験するプログラムを行いました。議長役・委員長役・大臣役・委員役を決め、用意された台本を読み、質疑応答や委員会での採決、委員会で決定された法律を本会議に提出、子どもたち全員による採決、法律成立までの流れを体験しました。
その後、時折テレビで見る・国会議員や記者たちがぎゅうぎゅうになって歩く各政党の部屋が並ぶ廊下を通り、参議院の本会議場や、天皇陛下や皇族方の控えの間など見学しました。建物すべてが国の建築・工芸技術の最高傑作を結集しており、華麗な造りになっていました。
5年生の情報産業の単元として新聞社訪問、6年生の政治の仕組みの単元として国会議事堂が選ばれました。見学場所でいただいた資料をもとに、さらに理解を深め、学びを定着するために振り返り学習に励みます。