「きくことは きくこと」
校長 平田 理
本校は毎週月曜日に全学年児童がチャペルに会し、児童礼拝を行っています。学校つき牧師であるチャプレンをはじめ、校長、教頭、各担任等が礼拝メッセージを担当します。教職員全員が同じ信仰を守っていますので、礼拝日である安息日の児童向け礼拝でも全教職員が礼拝メッセージを担当しています。
「実に、信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始まるのです。」(ローマの信徒への手紙 第10章17節)
いかなる環境下にあっても、自分のことだけでなく、周囲の必要に敏感であり、応え、寄り添うことのできる人物を社会に送り出すことが私たち教育の使命です。その実現のために本校は聖書がすべての教育の土台になっています。
「きく」を調べてみると大変多くの「きく」方法や態度、すなわち「ききかた」があることがわかります。次の5つの「ききかた」は、心して聴き、心の奥に効かせておく必要があると感じました。
「聞く」:「事実、事柄を聞く(Hear)」は周囲にある音をきく。言い換えれば、声であれ音であれ、受動的にきくことを指します。聞き流すこともできる「ききかた」です。
「聴く」:「心の動きを聴く(Listen)」は聞くことよりも更に能動的に聞き取ることです。言葉にならないコトバさえも聞き逃さず、聴くことを心がけることです。
「訊く」:「心の動きを引き出す(Ask)」は能動的に訊かせて頂く姿勢です。頷きや相槌を打つことで、同意や同調を示し、心の動きを引き出すような「ききかた」です。
「利く」:「より良くきくための感受性や共感性(Effect)」は、聴いている事柄を丁寧に受け取るための心構えが大切であることを教えてくれます。
「効く」:「きくことで信頼関係を築く(Result)」。聴いたことや受け取ったことを自分自身の中に取り入れることで、相手との信頼関係や理解が深まり、双方に効果がある、良い「ききかた」なのです。
大切な5つの「ききかた」の「聞く」、「聴く」は、相手に対する聴き手の姿勢を表し、「利く」、「効く」は聴き手が自らに問う姿勢、つまり聴いた後、自分自身が効きいれる姿勢を示すことです。「訊く」は方法論です。丁寧に尋ねることで相手の本心を引き出し、更に「きくこと」を深めていく姿勢を示しています。
私たちはさもすると、聞き流しても良い情報や会話に翻弄され、本当に聴かねばならない忠告や助言、言葉にならないコトバや相手の心の声を聴き取れていないかもしれません。
聖書は「だれでも、聞くのに早く、話すのに遅く、また怒るのに遅いようにしなさい。」(ヤコブの手紙 第1章19節)と、私たちの「きくこと」の指針を今日も教えています。
学校紹介「校長挨拶」はこちらをご覧ください。
◆学校見学について◆
本校では説明会や見学会としてではなく、日頃の様子を見ていただきたく、ご希望の方には随時、見学は個別(学期中平日午前中10:30~12:00。授業参観含む)に応じております。お子様も同行していただけます。またお車でご来校の際は校庭にお停めいただけます。日程をご相談させていただきますので、ご遠慮なくお電話でお申し込みください。