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「1+1=?」

校長 平田 理

 

校門で挨拶をしておりますと、明るく元気な挨拶と共に、楽しいつぶやきや気になる発言、時に難問、奇問が飛んできます。

1月のある朝、

「先生、おはようございます。さて1+1=?」

「えっと~、田んぼの田かなぁ?」

と昭和的ボケで応答すると、児童は「???」の表情。

「では、大根おろし1杯と大根おろし1杯を足すと?」

と言い換えての質問です。こんどはこちらが「???」。児童は得意そうに、

「1杯と1杯を合わせれば、1杯でしょ?」

「なるほど1杯かぁ。」

と感心して返答すると、満足そうな表情です。

「ごはん1杯とおかわりを足すと?」と切って返すと、

「あっ!それもだなぁ。」と納得して校門を入って行きました。

 

臨床心理学者 アルバート・エリス(1913-2007)が説いた有名な、「ABCの理論」があります。Bの「その人の受け止め方」次第で 、Cの捉え方や見え方、すなわち「結果」としての「受容」が全く変化するという考えです。

 

A=Activating Event  外部で起こる、避けられない、出来事

B=Belief        その人の受け止め方や信念、考え方

C=Consequence    様々な関係や原因から導かれる、結果

 

理論的には「1+1」は物や事柄が倍になるのですから、適切な答え「2」が導き出されるのが科学的です。しかし、考え方としてご飯や大根おろしなどに代表される、合わさると再び「ひとつ」になる事柄や物、考え方は存在しますし、むしろそのように考え方、受け止め方に「ゆとりと柔らかさ」があることが、多様性や独自性に富んだ視線を生み、更に新しい何かを生み出す可能性を秘めているのです。誰かの悪口や噂話、自分自身に対する視線や評価は「B」如何で変容するのです。単なる中傷や誹謗として受けるのか、助言や刺激と捉え、新しい感覚や価値を創出し、自分ばかりか周囲にも共有していくのか、「A」のその後を大きく左右するのは「B」の捉え方ではないでしょうか。

 

「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、…敵意という隔ての壁を取り壊し、…一人の新しい人に造り上げて平和を実現し…。」(エフェソの信徒への手紙2章14,15節)

とあります。「敵意」に対する「敵意」が重なることで平和が生み出されることはありませんが、「B」にキリストの介入があることで、全く新しい価値である「平和」がもたらされるのです。

 

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイによる福音書5章9節) 子どもたちが平和を創出し、周りにいる人々にその平和を分かつ者として成長してくれることを願っています。

 

学校紹介「校長挨拶」はこちらをご覧ください。

 

 

 

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