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「希望と喜び」

 校長 平田 理

 

 

 2017年8月中旬、普段は静かな町で、多くの観光客が訪れることもない、米南部バージニア州シャーロッツビルに注目が集まりました。白人至上主義者らと反対派が激しく衝突し、死者を出す事態となったからです。この騒動を受け、トランプ大統領は、当事者のみの問題として解決を図ろうとして、議会からも民衆からも疑義を正す多数の意見が寄せられ、弁明に追われました。

 

 一方で、オバマ前大統領はツイッターに「誰も生まれながらに、肌の色や生い立ち、宗教のために他人を憎まない」と投稿しました。この文面はご存知の方もいらっしゃると思いますが、故ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領の自伝からの引用で、「人は憎むことを、学ぶのだ。もし、憎しみを学べるのならば、愛することも教えられるはずだ。」と人々の寛容と融合を促しました。この衝突は単なる田舎町の出来事ではなく、人種間問題に燻る国家分裂の危機を招く衝突でもあるからです。「…もし憎しみを学ぶのならば、愛も教え、学ぶことができる。愛は憎しみに比べ、より自然に人間の心に届くのだ。」とマンデラは愛と寛容の教育の重要さを説いたのです。

 

 このように価値観さえも混沌とした時代だからこそ、子どもたちに人間として必要な愛と寛容の姿勢を説き、生きることの喜びと希望を学ばせ、自分たちの未来への思いを豊かに膨らませて欲しいのです。

 

 スウェーデンの教育家エレン・ケイ(Ellen Karolina Sofia Key(1849-1926)は、「子供を育てるということは、子どもの中に生きる喜びと希望を育てること。」(『児童と世紀』1900年) と示しました。

 

 聖書で使徒パウロは、「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。」(ローマの信徒への手紙 15章13節)と、神様に信頼を置くことから希望を抱くように勧めています。

 

 

 

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