「満月の法則」
校長 平田 理
精神科医 宮島賢也さんはご自身がうつ症状で、7年間服薬治療に苦しみましたが、独自の思考変革、食生活や潜在意識の改善によって、自ら寛解に導き、薬を使わない精神科医としてご活躍です。推奨されている「満月の法則」は、気持ちが穏やかで、緩やかになる考え方です。
すべての個性は満月のように、各々が完全なものとして創られていると考えることが大切だと言うのです。言われてみれば当たり前のことなのですが、私たちは多くの場合、他者との比較、能力の不備不足、失敗や問題点といった「陰」に視線を向けていったりするのです。これを「三日月思考」と呼ぶのだそうです。
本来、人は「丸い形」で、それぞれの個性に満ち欠けは無く、完成形として貴い存在なのです。見え方に違いがあるだけです。ですから、少しぐらい見え方に変化があったとしても、元来の姿に変化はありませんし、たとえ外見が変わって見えたとしても、いつかは元に戻るという未来志向の「満月の法則」が大切なのです。
心の痛みや傷を受けずに生きている人、「陰」を持たずに生きている人がいるとすれば、恐らく、そのことに気付かずに過ごしているか、孤立している人です。むしろ、帰属するなんらかの集団や社会の中で生きていれば、痛みや傷を受けることが前提であることを自覚することが大切ですし、それは回復するものだ、との希望を抱けることが、更に大切です。
この観点は子どもたちの成長にも当てはまります。成長の過程で散見される「陰」にばかり目を向ければ、未来の子どもの個性を見失うことにもなりかねません。
聖書は「良い贈り物、完全な賜物はみな、上から、光の源である御父から来るのです。御父には移り変わりも、天体の動きにつれて生ずる陰もありません。」(ヤコブの手紙 1章17節)と、光の源である神様は、「不完全にみえる私たち」を完全なものとして照らし、影をも創ることなく、良い賜物、贈り物を預けて下さるという「満月の法則」を約束しています。
空が澄み、月が美しい季節です。月の満ち欠けを楽しむ時間を大切にしたいものです。
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