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「夢がかなわなくても」

校長 平田 理

 

 

 

 「先生、夢がかなわなかったことありますか?」「もし、夢がかなわなかった時の神さまの答えってありますか?」児童からの質問に驚きました。「難しいですが、良い質問です」と答え、果たして、児童の求めていた質問に答えられたかはわかりませんが、自分を顧みる機会でもありましたので、一緒に聖書を調べる時間を持ちました。「願いが全て叶う人生はあるのかな?現実を考えればわかるでしょう?」といった「大人の返答」だけは避けられました。

 

 少し昔の絵本を想い出しました。「三本の木(The Tale of Three Trees)」アンジェラ・エルウェル・ハント著(1989/2003邦訳)をご存知の方もいらっしゃるでしょう。

 

 ある山に夢をもった小さな木が植えられていました。1本目の木は世界一の宝石を入れる箱になりたい、2本目は大海原を旅する大きな船になりたい、3本目は世界中の人が見上げる大きく立派な木になりたい、というそれぞれの夢がありました。時が経ち、それぞれの木は成長し、山から切り出されました。

 1本目は宝石箱どころか家畜のエサを入れる箱に、2本目は旅する大きな船ではなく、小さな漁船に、3本目は材木にされ、誰にも使われず置き去りにされました。

 更に年月が経ち、夢をみていたことさえ忘れかけた頃、1本目はある日の夜、馬小屋で生まれた赤ちゃんを寝かせる箱に、2本目は嵐を鎮める人とその弟子を乗せる船に、3本目はすべての人の罪を担った人がかけられる十字架に、それぞれ使われました。

 3本の木のそれぞれの夢は、はじめの願いとは全く異なった形になっていました。しかし、神様がそれぞれの木に用意された計画がなされた時、3本の木の願いは想像をはるかに超えた形で叶えられ、世界の人が「イエス・キリストを思い出す3本の木」になったのでした。

 

 自分の描いたとおりに夢が叶わなければ失敗でしょうか?計画通りの人生が全て幸せなのでしょうか?

 確かに私たちがどんなに祈っても、願っても聴かれないと感じる時があり、夢はかなえられず、願いが届かない時も少なくありません。しかし、この絵本は、祈りがすぐに聴かれなくても、自分の思い通りでは無かったとしても、神様は「将来と希望を与える」と約束され、私たちの想像を超えた形で応えられることを教えてくれます。

 

 聖書は「わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。」(エレミヤ書29章11節)と神様の約束を示しています。

 

 

 

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