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「しめされた愛 The Love revealed 」

校長 平田 理

 

 

 

 

 人道支援を必要とする地域は、紛争の規模や激しさと報道が伝える頻度から、ウクライナやイスラエル・ガザ地区に目を奪われがちですが、アフリカ諸国には10年以上続くシリア、イエメン、スーダンの武力紛争や自然災害(干ばつ)があり、その影響は想像を超える国々と地域に及び、多くの人々を貧困と飢餓に陥れ、命の危機に晒しています。遠く離れたアフリカ諸国への支援や協力は必要にも関わらず、情報不足や認識不足から、残念ながら、縁遠い気持ちになりますし、何が支援に必要なのかといった基本的なことさえ不明です。物質や気候に少し恵まれた日本に住む私たちに、実は、できることが多くあるはずなのですが、支援や協力に偏りと限界があるのが実情です。しかし、飢餓を劇的に軽減する対応ができなくとも、毎日の食べ残しを減らし、余分なものを消費せず、丁寧な生活を心がける努力はできそうです。温暖化の主因とされるガス排出量を減らし、天然資源の枯渇を少しでも遅らせるために航空機や自動車利用の回数を減らす工夫も必要です。

 

 ヨハネの手紙一 4章9節「神は、独り子を世にお遣わしになりました。・・・ここに、神の愛が私たちの中に示されました。

 

 今年度のクリスマス礼拝の主題は神様がイエス・キリストをこの世に遣わすことによって「しめされた愛 The LOVE revealed」を心に刻む時でした。神様は何となく愛を示したり、言葉の上だけで愛を説いたりしたのではありません。実に分かり易く、具体的に示されたのでした。イエス・キリストを世に遣わし、十字架の死によって人類を罪から救い、新天地を備えて下さる、という愛に基づいた約束の提示です。
 翻って、クリスマスの季節に私たちが先ず思い起こすことは何でしょうか?休暇の計画や予約、家族へのプレゼント・・・、残念ながら、思いつく事柄は「自分」に関係することばかりのようです。憎しみと悲しみ、痛みと苦しみの中にある人々が世界中にいることは知ってはいますが、忘れてかけている、或いは後回しにしているのです。愛が示されたことを思い起こす「クリスマス」の季節だからこそ、「めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。」(フィリピの信徒への手紙2章4節)との使徒パウロの勧めが心に響きます。与えられたものの中から分かち合い、誰かの必要に満たすために具体的な行為に移すことは、イエス・キリストの生き方にも見られたのです。愛は具体的に示されて、他に影響を及ぼすのですから。

 

 

 

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