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2025.08.26

校長通信

「胸の傷が痛んでも」

校長 平田 理

 

 

 

子どもたちが大好きな「アンパンマン」の原作者、柳瀬嵩(やなせたかし 1919-2013)さんと夫人の暢(のぶ)さんがモデルのテレビ番組「あんぱん」のテーマソング『賜物』(曲・詞RADWIMPS 野田洋次郎氏)を聴いて驚きました。普段の生活ではあまり使わない言葉ですが、聖書や教会の中では頻繁に使われる言葉が曲名だったからです。

 

『賜物』は天から頂く大切なものや機会について用いられる表現です。歌詞の内容は、人生の中にある様々な困難な場面で「鍵」となる事柄や人がいて、振り返れば、死に向かうばかりの命の全てに神様の采配のごとく「君」が与えられていた「万歳!」と、やなせさんの暢さんへの想いが表現されています。

 

一方、皆様ご存知のやなせたかし氏作詞による『アンパンマンのマーチ』(1988年)にも、天から授かった「賜物」の大切さが潜んでおり、時代を超えた類似性に驚きました。

『なんのために生まれて、なにをして生きるのか、こたえられないなんて、そんなのはいやだ!・・・そうだ、うれしいんだ、生きるよろこび、たとえ胸の傷がいたんでも、あぁアンパンマン・・・』

実は、「たとえ胸の傷がいたんでも」(歌詞1番)のくだりは、「たとえ命がおわるとしても」が原詩です。この原詩は原作とされる「快傑アンパンマン」の主題歌の歌詞「ぼくのいのちがおわるとき、ちがういのちがまたいきる」の引用とされています。戦争によって自分の命を脅かされたばかりか、家族の命を奪われたやなせさんは、与えられた命を如何に用いるのかを模索し、「賜物」である命は、だれかのために用いてこそ尊く、変わらない「愛と勇気だけがともだちさ」(歌詞2番)と、そこに「生きる喜び」があり、意味があるのだと伝えたかったのではないでしょうか。

 

使徒パウロは

「わたしは確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。」(ローマの信徒への手紙8章38,39節)

と記しました。

 

人が定めた価値や基準は時代に流され、変わってしまうことがあります。しかし「胸の傷が痛むような困難」、「命が終わるような危機」に直面したとしても、神様から頂いた「愛と勇気」は「逆転しない正義」であることを覚えたいものです。

 

 

 

 

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