2026.10.15
校長通信
校長 平田 理
小学校段階において「学び方を学ぶ(メタ認知・メタスキルの向上)」ことは、生涯にわたって主体的に学び続ける、「学びの自走」の土台となる非常に重要な「学びの考え方」です。子どもたちが「自分は今、どうやって学んでいるか」「何ができて、どこがわからないのか」を客観的に捉え、調整できるようになるための、具体的な学習活動(各教科)を1つご紹介しましょう。
本校では日々の授業の中で、知識を得るだけでなく「思考のプロセス」に目を向けさせることを大切にしています。上級生では特に、「思考の可視化」と「プロセスの共有」を意識させる問いが投げかけられます。単に答えを出すだけでなく、「どうやってその答えにたどり着いたか」をふり返ります。算数や理科では、問題を解いた後、グループ内で「私はまず〇〇に注目して、次に▽▽という作戦を立てた」と、思考の段階を言葉や図で説明し合います。お友達のアプローチ(作戦)を知ることで、「学び方には色々な方法」(選択肢)があると気づき、自分の考えと比較したり、広げたりできます。また、ベングラフやマインドマップなど(シンキングツール)を紹介し、考えのまとめ方も学びます。子どもたちは「今、『分類』している」「今は『比較』している」など、思考パターンを客観的に理解する習慣を身に着けていくのです。
先生から与えられた問題を解き、課題をこなすだけでなく、自ら問いを立てることで、学びの目的意識が高められます。例えば、単元の学習計画(ロードマップ)です。単元の初期段階に、教科書や写真資料を観察して、「何を疑問に思ったか」「何を解決したいか」を付箋に書き出し、学習計画(ロードマップ)をみんなで一緒に作ってみます。こうすることで、「与えられた勉強」から「自分たちの学びと計画を進める勉強」へと意識が変わり、見通しを持って学ぶ、明確な目当てを探す、といった言わば「学びの自走」が鍛えられるのです。
使徒パウロが興味深い言葉を残しています。
「そればかりでなく、苦難をも誇りとします。私たちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生み出すということを。」(ローマの信徒への手紙5章3〜4節)
「練達:練られた品性」とは、困難や失敗を通じて自己をふり返り、修正していく自己調整の先に与えられる「希望」です。つまずく経験(失敗と苦難)こそが、子どもたちの内面を深く、賢く育てる糧になるのです。
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